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お 知 ら せ
「救急の日」の講演
日 時
令和6年9月7日(土)14時00分~16時00分
場 所
伊佐市菱刈環境改善センター
講演
救急の日の行事として、伊佐市医師会及び伊佐湧水消防組合でも通常消防訓練を行っていますが、今年は、昨年4月に姶良市の保育園で生後6ヶ月の子どもさん(乳児)が、すりおろしたリンゴを喉に詰まれせて亡くなった事例を踏まえて、県立北薩病院小児科部長の水流尚志先生に御講演を賜ることになりました。
講演は9月7日14時より、菱刈環境改善センター大ホールで行いました。演題は「子どもの救急」で、聴衆は伊佐市内12の保育園の保育士さん、園長さんなど70数名が来場していただきました。
講演の内容としては、乳幼児の嚥下障害について、特に嚥下の仕組みをわかりやすく図示され、食べ物が 口腔内→舌→口蓋垂→喉頭蓋→食道と通過していく状態と反射を説明していただきました。
また、先生のアイディアで、各保育士さんへ色紙大の黄色と青のパネルを配り、いくつかの質問をされ、例えば子ども家庭庁から出されている誤嚥防止ガイドラインを「月1回程度読み合わせている人は黄色のプレート、実施していない人は青色のプレートを上げてください」など、演者とのコミュニケーションをとっていました。私が見たところでは、やはり実施しているところは施設によって差があるようでした。
その他にも
・SIDS(乳幼児突然死症候群)
・アレルギーによるアナフィラキシー
・転落事故
などについてもお話しいただきました。事故は恐ろしいもので、亡くなった子どもさんの御家族の悲しみはどれほど大きなものかと感じました。
その後、保育士さんたちはそれぞれ別室で消防士による「小児の心肺蘇生法実技指導(AED)」を受けていました。
ところで、私はたまたま、イギリスの人口統計学者 ポール・モーランド著の「人口は未来を語る」を読んでいまして、人口動態において乳児死亡率は大きなfactorであることを知りました。日本の現在の乳児死亡率は2人/1,000人ですが、本の中ではペルーの田舎町「カラバイヨ」(田舎町だが一部ビル街もあり、ホワイトカラーの仕事もある)という町を例に挙げており、ペルーが1530年、スペインに征服された頃の乳児死亡率は、当時の日本と同様に、1人/6人ぐらいと非常に悪いものでありましたが、時代は経過し、1970年のそれは100人/1,000人、そして現在は10人/1,000人程度に大きく改善しているそうです。
それは、栄養状況や公衆衛生の改善、医学の発達等いろいろな要因があるでしょうが、保護者や保育士さん達の知識や技術の向上もひとつの理由のようです。
そのようなことを含め、今回の講演は伊佐市の保育士さんたちのスキルアップに大いにつながったのではないかと考えます。
文責 会長(救急担当理事) 寺田 歩